-遠くて近い明日のキミ-



A 秋村 雪
B 遠道 達哉


あらすじ
遠距離恋愛に自信が無い女と、遠く離れても愛を信じる男
別れたくない思いと、傷つきたくない思いが交差する中彼女の出した答えは……。

SE祭り囃子が遠く聞こえる

SE近づいてくる足音

A「ごめんね。待ったでしょ。オーディション長引いちゃって」
B「カキ氷が解けるくらいは」
A「じゃあ、そうでもないか」
B「ひどいなあ、待たせといて」
A「だって、例年より今年は暑いでしょ」
B「だから?」
A「いつもより待たせてない」
B「待たせた事実は置いてけぼりかよ」
A「ごめんごめん」
B「本気で謝ってる?」
A「じゃあ、誠意は綿菓子でどう?」
B「ノッた」
A「じゃあ、置くから二番目のお店」
B「あそこの屋台好きだよな」
A「あれ?言わなかったっけ?あれ従兄弟なの」
B「ええ?マジで!初耳なんだけど」
A「ほら、早く!」
B「あ、雪。その前にさ」
A「どうしたの?」
B「伝えたいことがあって」
A「伝えたいこと?え?もしかして…」
B「あれ?もしかして、今日言うこと誰かから聞いちゃった?」
A「そうじゃないけど、分かるよー。そんな態度してたら」
B「そっか、ならよかった。実は……」
A「ちょっと待って、まだ心の準備が出来てないからさ」
B「あ、ああ」

雪 深呼吸をする。

A「はい、良いよ」
B「実は、転勤になった」
A「……え?」
B「北海道に行くことになった」
A「ほっかいどー……」
B「ああ、北海道の支部を任せられるようになったんだよ」
A「でも、あの、私、前に言ったでしょ」
B「やりたいことがあるって」
A「そう。だから私、一緒には」
B「うん、だから、帰ってくるまで待ってて欲しい」
A「え?」
B「俺、出世して帰ってくるから」
A「無理」
B「……は?」
A「いや、違うの出世が無理とかじゃなくて、遠距離に自信が無いの」
B「大丈夫だよ。俺は」
A「達也が大丈夫とかの話じゃなくて、私がダメなの」
B「浮気なんてしないって」
A「だから、達也を信じてないってことじゃないの」
B「じゃあ、なんだよ」
A「私が、私を信じられないの」
B「……どういうことだ?」
A「最初は信じてるけど、だんだんと疑心暗鬼になる自分を抑えられないんじゃないかって」
B「それは、やっぱり俺を信じてないからじゃないのか」
A「自分の心が弱いからなのよ、そこを取り違えないで」
B「そんなこと言ったら解決策なんて」
A「解決策なんて無いのも分かってる。これは私の心の問題だから」
B「でも、雪は芯が強いと思うけど」
A「律してるのよ。あなたに良い所を見せようって」
B「そんなに、無理して付き合ってたのかよ」
A「違うの、違う。ああ、どう言ったら伝わるかわからないけど」
B「転勤は変えられない。雪はどうしたい?」
A「どうしたいって。まだ、心の準備が出来てない」
B「……とりあえず、出店見るか?」
A「達也は、何でそんなに自信があるの?」
B「自信て、何の?」
A「浮気しない自信。嫉妬しない自信。疑心暗鬼にならない自信。他にも色々」
B「自信なんて無いよ」
A「自信は無いのに、何で平気そうな顔してるの?」
B「きっと大丈夫って」
A「私は、考えてるの傷つく前に納得する形で別れるのも良いかもって」
B「おい」
A「聞いて……。束縛は逆効果だって思ってるの」
B「別れるしかないのか」
A「私は、きっと、まだ子供なの。仕事に真面目に取り組んでるつもりだけど」
B「そんな簡単に割り切れないよ。俺は」
A「私だってそう。だから、もう一度恋をさせて」
B「……別の男にか」
A「あなたに」

SE 花火

A「花火始まっちゃったね」
B「……雪」
A「私は、もっと良い女になるし、あなたも男を磨いて帰ってくるなら。その時、もう一度」
B「その時、俺はお前より、良い女を見つけてるかも知れないぞ」
A「それならそれで構わない。私は私の道を行きたいの。達也を……夢を諦めた理由にしたくない」
B「やっぱり強いよ。雪は」
A「待たないけど、待ってる」
B「たぶん大丈夫だよ」
A「なんで?」
B「冬になったら、ずっと傍にいるから」
A「ばーか」




作者は出来上がった時に自分で書いておいてなんですが
リア充爆発しろって思いました。